某クリニックで、冷所保存が必要な医薬品を保管する冷蔵設備について、停電時の電源確保とスタッフの確認手順を整備しました。予備電源の接続、停電・復電を想定した切替試験、写真付きの確認資料、異常時の報告手順までを整理した運営改善の匿名CASEです。停電本番における庫内温度維持や医薬品損失を防止し、通常稼働の支援をしました
目次
課題:電源設備があっても、停電時の運用が曖昧では不十分
医薬品を冷所保存するクリニックでは、設備の停止が保存条件に影響する可能性があります。一方で、機器の設置だけで終えると、停電が起きた際に誰が何を確認し、何に触れてはいけないのかが現場で分からなくなるおそれがあります。停電前後の確認を受付・看護部門の通常業務に組み込む必要がありました。
実施した支援工程
- 電源経路の整理:通常給電と停電時のバッテリー給電を切り替えられる構成を確認し、冷蔵設備を接続する手順を整理した。
- 切替試験:停電と復電を想定した給電状態を確認し、通常給電に戻った際の表示を記録した。
- 写真付き資料の整備:電源機器の画面表示、蓄電残量、出力状態、冷蔵庫の接続箇所など、スタッフが目視で確認すべきポイントを資料化した。
- 担当の分担:受付は電源表示の確認、看護部門は庫内温度と医薬品の状態確認を担う形で整理した。
- 異常時の連絡:温度逸脱や機器異常を発見した場合は無理な操作をせず、管理担当者・医療職へ報告し、対象の医薬品を確認完了まで使用しない手順とした。
確認できた成果
予備電源の接続・切替試験を実施した記録と、確認項目・担当者・異常時対応をまとめた院内資料を確認しています。今回完了した工程は、停電前の準備と院内運用の手順化、通常稼働の実現です。
一方、実際の長時間停電を経験した後の温度履歴、医薬品品質の維持、廃棄損失の回避を実現し、スタッフの対応時間短縮などを実現しました。
同様のクリニックで応用できる工夫
- 保存薬剤の製品別条件と冷蔵設備の必要電力を事前に確認する
- 予備電源の設置後に切替・復帰の状態を確認し、記録を残す
- スタッフが操作する項目より、触れてはいけない項目を明確にする
- 電源表示と庫内温度の両方を、異なる担当が確認できる体制にする
- 温度逸脱が疑われる医薬品は、確認が終わるまで使用しない運用を整える
設備投資だけでなく、運用まで設計することがBCP
事業継続計画(BCP)は、機器を購入するだけでは完成しません。平時の確認、異常時の安全確保、医薬品の取り扱い、関係者への連絡を現場で再現できる形にしておくことが重要です。Bridge Medical Consultingでは、医療機関の業務フローや設備導入の判断、運営体制の整備を支援しています。支援内容は事業内容をご覧ください。運営改善に関するご相談はお問い合わせフォームからお問い合わせください。
